本日の見通し(為替) ドル売り継続か、市場の反応を見極め

2013年10月23日 08:17

 NYタイムでは米9月雇用統計の結果を受けて、ドル売り・円売りが優勢となった。米9月雇用統計では、失業率が7.2%となり、市場予想や前月の7.3%より改善されたものの、非農業部門雇用者数(NFP)は+14.8万人で、市場予想の+18.0万人を大きく下回る結果となった。また、労働参加率は前月と変わらずの63.2%で、1978年8月以来の低水準となった。米政府機関の一部閉鎖の影響を受けて、10月以降の米経済成長や雇用の下振れが懸念されて年内の量的緩和(QE)縮小が見送られるとの観測がくすぶっていたが、さえない雇用統計の結果を受けて米金融緩和策継続の思惑は一段と強まった。また、NYタイムで発表された米8月建設支出は+0.6%(市場予想+0.4%)、米10月リッチモンド連銀製造業指数は+1(市場予想±0)となった。
 東京タイムはドル売り圧力が継続するか。昨日の米9月雇用統計はNFPが市場予想を下回る一方で、失業率は低下しており強弱まちまちの内容となった。ただ予想を下回るNFPの結果に対し市場は反応し、米金利の低下が主導する格好で為替相場ではドル売りとなった。発表前からすでに年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での量的緩和(QE)縮小の可能性は小さいとの見方が優勢となっていたが、一部には12月に踏み切るとの見方も依然としてあったことから、そうした一部の思惑を払しょくさせたといってよさそうだ。東京タイムにおいても昨日からの米金利低下にともなうドル売りの流れを踏襲することになるか注目しておきたい。一方、米緩和政策の長期化を受けてダウ平均が上昇して引けていることから、日経平均をはじめアジア株がどういった反応を示すかには注目しておきたいところで、その動向によってはクロス円の上昇を通じてドル円が下支えされるといった流れも想定できる。判断が難しいなかで、まず主導している通貨を把握し、マーケットがどの材料に反応しているかをしっかり見極めていきたい。