本日の見通し(為替) ドル円、200日線の攻防続くか

2013年10月09日 08:13

 NYタイム、為替相場は序盤にドル売りに傾斜も限定的で方向感に欠けた。米関係筋が上院において多数を占める民主党が債務上限引き上げ法案を今週中に提出する可能性があるとの見解を示したが反応は乏しく、ベイナー米下院議長ならびにオバマ米大統領の記者会見などもあったが、新たな材料もなくインパクトは弱かった。一方、米1カ月もの短期証券(Tビル)利回りが2009年2月以来の高水準を示現。この動きについては、米債務上限問題が17日に期限を迎えるなかで投資家の懸念が強まっていることを示唆する内容であり、為替ではドル売り要因として意識された可能性がありそうだ。ただしドル売りも長続きはせず、米財政問題において新たな進展のなさから不透明感が強すぎる状況では積極的にポジションも傾けにくく、ユーロドルは「いって来い」となるなど明確な方向感は出なかった。
 米財政問題をめぐる議会交渉の進展が見えず、ドル円の軟調地合いは継続しそうだ。昨日のドル円は200日移動平均線(本日96.78円前後に上昇)を下回ったところで下げ止まったが、本日もこの攻防戦が続きそうだ。オバマ大統領は14年度度暫定予算案と債務上限問題解決の前には財政削減策などを交渉しないことや、共和党との協議は政府閉鎖などの解決後であることを改めて強調し、ベイナー米下院議長は歳出削減なしに債務上限の引き上げはないと繰り返し、与野党の交渉は平行線のまま解決の糸口が見えてこない。米政府機関の一部閉鎖により、雇用統計など注目経済指標の発表が延期され、米財政問題の長期化への懸念が強まっているなかでは、積極的な取引が手控えられるのは仕方ないか。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月17-18日)は予定通り本日のNYタイムに公表される見通し。前回のFOMCで量的緩和の縮小が見送られた判断の背景に注目が集まりそうだが、政治的な不透明感や、主要経済指標の発表も延期されていることから、今月のFOMCで量的緩和(QE)縮小が見送られる思惑が強いことを踏まえると、相場への影響は限られそうだ。