本日の見通し(株式) 材料難のなか日経平均の25日線突破は困難 新興国株よりIT関連を選好か
2013年10月29日 08:31
東京市場は方向感に乏しい展開が予想される。29日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、米国市場の様子見姿勢を引き継ぐ格好となりそうだ。材料不足で先物市場の売買も低迷が予想され、現物市場の日経平均やTOPIXなどもコマツや京セラ、KDDIなど主力株の決算材料を通じて動く程度だろう。
米国市場でコマツのADRは7.20%下落した。同社の業績下方修正を通じて新興国景気への警戒感がより深まる公算が大きく、きょうのところは鉄鋼、海運、商社株などはさえない展開が予想される。一方、通信株に加え、金融危機以降でも出遅れ感が強い電気機器セクターなどを含め、IT関連株の一角を選別物色する流れは続きそうだ。
日経平均株価の予想レンジは14280円-14350円。基準線(14283円)をサポートに狭いレンジの取引が予想される。一目均衡表では抵抗帯(雲)ネジレのタイミングからの反発となり、雲の上方をこのまま維持していけるかが重要なポイントの一つとなる。下落基調に転じている25日線や、直前の大陰線などを早期に上回る動きなどが必要な局面だ。現状ではアヤ戻しとなる可能性も十分残っている。
週足の一目均衡表では、遅行線が当時の株価に接近しており、逆転の売りサイン(遅行線が当時の株価を下回る)を回避できるかの正念場だ。今週から2週続く転換線(14112円)上昇で、反発基調を強められるかがポイントとなる。ただし、11月第3週(11/18~22)には基準線が下げに転じるリスクがあり注意が必要。基調に変化が生じやすいのは、11/7、14-18などがある。
28日のNY株式相場は横ばい。ダウ平均は前日比1.35ドル安の15568.93ドルで終了した。アップルの決算発表を控えていたことや、FOMCを前に様子見ムードが強い展開となった。量的緩和政策が維持されるとの見方から米債利回りの上昇ペースが一服したことで、好配当銘柄の一部には買いが入る動きがみられた。
NASDAQは前日比3.23ポイント安、S&P500は2.34ポイント高で終了。円建てのCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ60円安の14310円、ドル建ては35円安の14335円で終えた。