本日の見通し(東京為替) 流動性相場継続でドル円は底堅いが、上値も重い
2013年11月19日 08:32

昨日のNYタイム序盤はユーロ買いが先行。対ドル・対円というよりユーロクロスでのユーロ買いが対ドル・対円での底堅さにつながったようだ。もっとも、NYタイム午後に入ってからはドル買いが優勢に。ダドリー米NY連銀総裁が米国経済に対してポジティブな発言を述べたことから、先週のイエレン次期FRB総裁の公聴会での緩和継続を示唆する証言とのコントラストが意識されたもよう。また、終盤にかけては円買いに傾斜したが、こちらについては取引開始早々に史上初の1万6000ドルをつけたダウ平均が引けにかけて反落したことが影響した部分もあったようだ。背景としては米著名投資家アイカーン氏が「株式に非常に慎重、下落の可能性」と述べたことが少なからずネガティブ材料になった可能性がある。ユーロドルは買いが先行し1.3542ドルまで上昇したが、ユーロ円は終盤にかけて円買いが強まったことを受けて134.74円まで下落した。また、ドル円は米長期債利回りの低下も重しとなり、100円大台を割り込み上値の重い動きとなった。
昨日のドル円は99円後半から100円前半での動きとなった。先週末同様に100円前半では上値が重く、本日の東京タイムでもこのレンジを引き継いでの推移となりそうだ。米株が史上最高値更新の動きが継続しており、中国第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の決定詳報の発表を受け、中国株も大幅上昇するなど、世界株高を背景とした投資家のリスク志向が強く、ドル円の底堅い動きは続きそうだ。その一方で、米量的緩和の長期化観測を受けたドル安傾向は、ドル円の上値を圧迫する要因ともなっており、方向感が出にくい。米量的緩和(QE)縮小時期を来年3月と見込んでいる市場参加者が多いが、今後の米経済指標の結果次第では、今年の12月や来年1月の可能性もゼロではない。今週は20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、21日の日銀金融政策決定会合後の黒田日銀総裁による記者会見を見極める展開になりそうだ。本日の東京タイムでは、豪準備銀行(RBA)金融政策決定理事会議事録の公表以外は注目経済イベントの予定もなく、ドル円は日経平均やアジア株の動向を眺めながらの動きになるだろう。
