本日の見通し(東京為替) 公聴会テキスト公開後のドル売りは後退へ
2013年11月14日 08:34

13日の為替市場はドル安。ドル円は昨日の高値からの調整売りが優勢となっていたなかで、イエレン次期米連邦準備理事会(FRB)議長の指名承認公聴会のテキストが事前に公表され、99.10円まで下値を広げた。テキストではイエレン氏のハト派なスタンスが再確認されている。ユーロドルはプラートECB総裁が「マイナス金利の適用は可能」と述べたことを手がかりに軟化した後、1.3496ドルまで反発。ポンドドルは英四半期インフレ報告で、フォワードガイダンスの基準値である失業率7%に従来の想定よりも早く達する可能性があるとの見通しが示されたことによるポンド買いも加わり、1.60ドル半ばまで値を上げた。資源国通貨もドル安推移。クロス円はドル円の下げに圧迫されつつも底堅かった。
東京タイムでは、ドル円は徐々に落ち着いた動きとなりそうだ。事前公表されたイエレン氏のテキストは市場が想定する度合いのハト派的な内容であり、内容そのものにサプライズは乏しい。公聴会の段階だけあって突っ込んだ内容も見当たらない。米量的緩和(QE)の縮小開始時期に関する思惑はほとんど揺さぶられておらず、ドル売り圧力は次第に後退していくと思われる。イエレン氏のハト派的なスタンスが再確認されたことは株式市場経由で円安要因であり、ドル円が下げ渋る一因となる。ただ、テキストが公開されたとはいえ、NYタイムに予定されている公聴会に向けて慎重なムードが高まってきそうで上下ともに動きづらいだろう。
本日は日本の7-9月期GDP・1次速報値が発表される予定となっており、日経平均株価を押し上げる結果ならば株高・円安となるか。もちろん、逆のパターンもありうる。バーナンキFRB議長の講演にも目を向けなければならない。
