本日の見通し(東京為替) ドル円堅調、QE長期化観測後退と株高で
2013年11月22日 08:03
NYタイムはオセアニア通貨以外で円安が強まった。はっきりとした円安材料は見当たらない状況ではあったが、東京タイムからの流れを引き継ぐ格好に。また、昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容により、来年3月との見方が大勢を占めつつあった量的緩和(QE)縮小が前倒しされるとの声もいくつか聞かれ、日米の金融政策のコントラストによる円売りに加えて、ドル買いといった側面も本日の相場に大きく寄与した。また、昨日話題となった、欧州中央銀行(ECB)による預金金利のマイナスに踏み込む措置については、ドラギ総裁から「マイナス預金金利を暗示しようとは思わない」との発言が聞かれたことから、下落基調をたどっていたユーロは買い戻しが進み、結果としてユーロ円の上昇を後押しすることとなった。ダウ平均の反発も支えに、ドル円は101.17円まで上昇し、ユーロ円は2009年10月以来となる136円台の大台に乗せると136.43円まで、ポンド円は2008年10月以来の高値となる163.89円まで上昇した。一方でオセアニア通貨はやや軟調。スティーブンスRBA総裁が為替介入の可能性を示唆したことも重しとなった。
昨日のドル円は、日米株高による円売りと米量的緩和(QE)長期化観測の後退によるドル高を背景に、直近レンジの99円半ば-100円半ばを上抜けると7月10日以来となる101円台に上昇した。今週の注目材料であった米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録と黒田日銀総裁の記者会見を通過し、日米の金融政策に対するスタンスの相違も意識された。QE縮小時期をめぐっては、イエレン次期FRB議長の指名承認公聴会でQE長期化観測が強まったが、米連銀総裁の発言やFOMC議事録を受けて、QE縮小の前倒し懸念が再燃した。QE縮小時期をめぐる不透明感が続いており、今後の米経済指標の結果に一喜一憂する展開が予想されて、米11月雇用統計はより一層注目が集まりそうだ。QE早期縮小観測が強まればドル高、QE長期観測が継続すれば株高により円売り地合いとなりやすい傾向から、株価が大崩れしない限り、ドル円は底堅い動きになりそうだ。本日の東京タイムでは、注目イベントが予定されておらず、日経平均の動向を眺めながらの展開となりそうだが、株価は先高観を支えに底堅い動きが予想される。レンジを切り上げてきたドル円の下値は限られそうだ。