本日の見通し(東京為替) ドル円は100円前後、注目はFOMC議事録

2013年11月20日 08:24

 NYタイムは円売りが優勢。ロンドンタイムに伝わった人民元の1日あたりの変動幅拡大といった方針を受けて瞬間的にドル売りが見られていたが、NYタイムに入ると人民元の変動幅拡大が世界経済にとってポジティブといった面が意識されたようで、ドル売りに加え円売りという形で波及することとなった。またダウ平均が序盤は買い先行となったことも円売りに寄与した。ドル円は100円の大台を回復させると100.26円まで上値を伸ばしたが、NYタイム午後に入るとダウ平均が前日比マイナス圏に沈んだこともあって、100円前半で伸び悩んだ。また、ユーロ円はリアルマネー系の買いなども追い風に上値を試すと、135.73円を示現し年初来高値を更新したほか、ポンド円は161.62円、豪ドル円は94円半ばまで上げ幅を広げるなど、クロス円も全面高となった。主要通貨は対ドルでも堅調で、ユーロドルは1.3548ドル、ポンドドルは1.6133ドルまで反発した。
 昨日のドル円は99円半ばから100円前半での動きとなった。米長期債利回りの上昇も支えに100円大台を回復したが、100円前半での重さも継続。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録や、明日に黒田日銀総裁の記者会見を控え、100円を挟んでのレンジ相場が続きそうだ。本日の東京タイムではバーナンキFRB議長の講演が予定されている。バーナンキFRB議長は今年の5月に年内のQE縮小の可能性を示唆したが、米景気回復の鈍化や財政協議の難航を受けて、縮小時期が来年3月以降へ先延ばし観測が強まっている。来年1月末に任期満了を迎え、12月と1月のFOMCを残しており、その発言内容に注目したい。東京タイムでは、株価動向を眺めながらの展開になりそうだが、日経平均株価は2日続落とはいえ下げ幅は限られており、利益確定売りと押し目買いがやや拮抗している。底堅い日経平均の動きはドル円の下支えになるだろう。また、NYタイムでは、FOMC議事録(10月29-30日開催分)の公表が予定されている。米政府機関の一部閉鎖による景気悪化への懸念で、現行の金融緩和策の継続が決定されたが、次回12月の会合を控えて量的緩和(QE)縮小の条件としての、雇用情勢に対する見解に注目したい。