本日の見通し(東京為替) ドル円の100円回復は通過点か
2013年11月15日 08:21
14日の為替市場は円安。ドル円は約2カ月ぶりとなる100円台を回復している。欧州中央銀行(ECB)が緩和スタンスを再度強めてきているうえ、イエレン次期米連邦準備理事会(FRB)議長が金融刺激策を長期化させるとの観測を背景に株価が堅調に推移し、リスク選好的な円売りが続いた。麻生財務相の為替市場に関する発言も動意を与えたようだ。ユーロ円は134.71円まで上昇、ポンド円は2009年8月以来となる160円台をつけた。ユーロドルは欧州各国の国内総生産(GDP)に景気回復のぜい弱さを再認識させる結果が一部あったため1.3418ドルまで軟化する場面もあった。ただ、下値は限定的で、1.34ドル後半まで切り返した。ポンドドルは弱い英小売売上高を受けたポンド売りを消化すると1.61ドルちょうど前後まで上昇。オセアニア通貨は対ドルで上値が重かった。
本日は、先週以降の円安基調が続くと思われる。米量的緩和(QE)額の維持・長期間観測を背景に、ドル円が100円台を回復するとの見通しは多くなかったが、ドル円の上値に否定的だった市場参加者の心中に疑念が生じる結果となっているため、この現実と結果の差異がドル円を押し上げるドライバになると想定される。10月8日以降の上昇チャネル上限を突破していることも円安の加速を連想させる。日経平均株価がCME225先物の終値である1万5065円を超えて続伸するなら、リスク選好の円売りが一段と促進されるだろう。ドル円が100円付近で底固めするとの予想は多くなく、週末ムードのなかで調整売りに押されるシナリオもあるが、円安トレンドが鮮明になりつつあるため流れには素直に従いたい。ドル円の目先の上値めどは9月11日高値の100.62円。