本日の見通し(東京市場 為替) 過度な悲観論後退も一辺倒の円売りには疑問

2014年03月05日 08:00

NYタイムではウクライナ情勢の緩和を背景としたリスク回避姿勢の後退から円が売られた。ダウ平均や日経平均先物、米長期金利の上昇を眺めてドル円は102.29円まで上昇した。ユーロ円は140.53円、ポンド円は170.52円、豪ドル円は91.58円、NZドル円は85.86円まで円安で推移。ユーロドルはECBによる追加緩和の可能性が一部で示唆されたことも重しに序盤の1.3782ドルから1.37ドル前半まで反落した。
 海外市場ではプーチン・ロシア大統領がウクライナに派兵する必要はまだないとの認識を示したことで、株高・債券安(利回り上昇)を後押しに逃避的な動きが巻き戻され円は下落した。過度な不安感が後退した流れを踏襲し、東京タイムでもドル円・クロス円は底堅さを維持して推移しそう。ただ、現状ではリスク回避で売られた値幅を取り戻したにすぎず、欧州中央銀行(ECB)理事会や週末の米雇用統計などの重要イベントを控えて円安地合いが加速するかには疑問が残る。米株価や日経先物の動きからは本邦株価の続伸は想定されるが、ある程度の上げは織り込まれていると思われ一辺倒にドル円の上昇を後押しするとは限らない。高値掴みには注意したい。イベントとしては豪10-12月期GDPの発表が予定されている。市場予想は前期比で+0.7%、前年比で+2.5%の成長が見込まれており、ともに前期から小幅に成長が加速する見通し。前日の豪準備銀行(RBA)理事会では声明のトーンにやや明るさも見られたことから、中国の景気減速が懸念されるなかで豪ドル安を背景に安定した回復が果たせたかを確認したい。