本日の見通し(東京市場 為替) 豪・中動向見極めながら欧州時間を待つ展開か

2014年03月06日 08:01

昨日のNYタイムのドル円は、ロンドンタイムまでの、ウクライナの緊張緩和を背景とした円売りの流れを引き継ぎ102.56円までじり高となったものの、弱い米2月ISM非製造業景況指数を受けた米長期金利低下に押され、102.30円前後まで反落した。5日に発表された米経済指標では、米2月ADP全国雇用者数は市場予想+15.5万人より悪い+13.9万人となり、前月分も+17.5万人から+12.7万人に下方修正された。ISM非製造業景況指数は51.6と、市場予想53.5を下回り、2010年2月以来の低水準となった。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、悪天候で雇用・小売り減速も経済は成長として、天候の悪影響に言及しながらも、12地区のうち8地区で景気回復といった見解が示された。
 ユーロドルは1.37ドル前半で上下。ECB緩和への警戒から、ロンドンタイムにつけたレンジ下限1.3707ドル付近まで下ぶれる場面もあった。
 本日は、東京タイムに豪1月貿易収支や同小売売上高の発表、ロンドンタイムにBOE・ECB理事会と重要イベントが続く。最注目のECB理事会では、政策が据え置かれるとの見通しのほか、小幅な利下げが行われる、さらには証券市場プログラム(SMP)の不胎化オペ停止の実施など、市場の政策見通しには幅がある。そのため、一方向にポジションを傾けるような状況にはなく、東京タイムは様子見ムードが広がりそうで、各通貨とも限られたレンジで上下に振れる展開が予想される。ただ、ウクライナをめぐる対応で最悪のシナリオが避けられるとの思いから投資家心理が改善しつつある中で、豪州の経済指標が強めとなれば豪ドル円中心に円売りが進む可能性はありそうだ。とはいえ、中国での社債のデフォルト懸念が拡大するようなら、投資家のリスクテイク意欲も後退して安全資産とされる円の需要が高まることも考えられる。豪・中の動向を慎重に見極めながら、欧州タイムのイベントを待つ流れとなりそうだ。