本日の見通し(東京市場 為替) 調整先行も円高バイアスは限定的か
2014年01月06日 08:01
年末年始の休暇中の為替相場は、調整主体の値動きで円が買い戻された。欧米の株式市場や債券市場でも調整が入るなど、金融市場全体で足もとのポジションのアンワインドが進んだ。ドル円は104.08円、ユーロ円は142円割れまで下押しした。3日にプロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁が、米テーパリングで将来的にインフレ率が急速に上昇するリスクを認識する必要があるとの見解を示したことも、投資家の不安をあおった。ただ、バーナンキFRB議長が量的緩和の縮小が始まっても、当局はかなりの金融緩和にコミットしていると述べたことで、リスク回避の流れもいったんは落ち着いている。
とはいえ、海外の株式市場が年末時点と比べて水準を下げていることもあって、本邦の株式市場にも調整の流れが波及する可能性は高く、年明けの東京市場はリスクオフの流れが先行しそうだ。ドル円・クロス円は、先週末に支えとなったトレンドラインのサポート力を再度確かめる展開もあるだろう。また、本日の中国12月HSBCサービス業PMIがさえない結果となれば、リスク回避ムードを強めるかもしれない。しかし、黒田日銀総裁がデフレ脱却に向けた異次元緩和の期限を当初示していた2年にこだわらず、必要に応じて継続する方針を明らかにしていることもあって円安地合いは崩れていない。また、バーナンキFRB議長の発言も蒸し返されそうで、ドル円・クロス円の調整はある程度軽いだろう。売り一巡後は、再び海外市場の動向をにらみながら、次なる方向性を探る展開となるか。