本日の見通し(東京市場 為替) 新興国懸念続く、ドル円下値模索か

2014年02月03日 08:00

 先週末のNYタイムの為替市場は、ドル買い・円買いが優勢。米FOMCの量的緩和縮小が着々と実施される中で、月末のリバランスに関連したドル買いフローが強まり、ドルを押し上げた。また、このドル買いが新興国通貨を押し下げたことで、くすぶっていた新興国不安が再燃。幅広い市場で株安・債券高が進み、逃避先通貨である円が買われた。ドル円は101.95円まで軟化し、ユーロ円は昨年11月27日以来の安値となる137.51円まで売られた。また、ユーロドルは昨年11月下旬以来の1.35ドル大台を割り込み、1.3479ドルまで下落したほか、ポンドドルは1.6427ドルまで下押した。
 先週末の海外市場での流れを引き継ぎ、週明けの東京タイムではリスク回避の円買いの流れは継続しそうだ。先週、ドル円は101円後半で下げ渋ったが、下値模索の動きも念頭に置きたい。米連邦公開市場委員会(FOMC)での100億ドルの量的緩和(QE)縮小を受けて新興国不安が高まっており、新興国の通貨防衛的な政策金利引き上げも効果が見られず、今週も新興国の通貨安、資金流出に対する懸念は続くだろう。トルコやアルゼンチン、南アフリカなどの通貨動向が引き続き注目される。1日に発表された中国1月製造業PMIは市場予想通りの50.5となったが、昨年7月以来の低水準となった。本日の東京タイムでは中国1月非製造業PMIの発表が予定されている。さえない結果となれば、新興国不安の大きな要因の一つである中国景気悪化への警戒感が一段と強まる可能性がある。海外市場ではイエレン新FRB議長が声明を発表する予定。新興国懸念が強まっているなか、新議長の政策に対する市場の関心は非常に高い。