本日の見通し(東京市場 為替) 新興国懸念再燃、中国PMIにも注目

2014年01月30日 08:12

 NYタイムは円が全面高。ロンドンタイムまでは、トルコ・インド・南アなどによる通貨防衛のための利上げによって新興国リスクが後退する雰囲気が強かったが、NYタイムに入るとその流れは一転。米FOMCで、追加の量的緩和(QE)縮小が決定されるとの見通しから、新興国からの資金流出への不安は今後も続くとの見方や、QE縮小による米経済への影響が懸念され、リスク回避の流れが強まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の大方の予想通りに月額の資産購入額が計100億ドル縮小され、総額650億ドルまで減らされた。ドル円は101.85円まで下げ幅を拡大した。クロス円では、ユーロ円は昨年12月6日以来の安値となる139.04円をつけたほか、ポンド円は168.70円、豪ドル円は89.03円、加ドル円は91.29円まで株価の下落に歩調を合わせてそれぞれ安値を更新した。
 昨日の東京タイム早朝はトルコ中銀の緊急利上げを受けてトルコ・リラが急伸し、新興国不安はいったん緩和されたが、完全に払拭させるには至らなかった。ドル円は東京早朝の103.45円を高値にFOMC結果公表後は一時101円後半まで下落した。インドや南アフリカなども利上げに踏み切ったものの、新興国通貨は軒並み下げ幅を拡大した。FOMCでの追加QE縮小決定も、新興国への影響をめぐる不安を強めた。本日の東京タイムでも、新興国通貨の動向を眺めながらの展開となりそうだが、ドル円・クロス円の上値が重く、下値模索の動きも念頭に置きたい。米国がQEの縮小に踏み切っているが、「異次元緩和策」をとっているユーロ圏や英国、日本など世界先進国も遅かれ早かれ、その日を迎えることになる。この流動性低下が、新興国の実体経済にどれほどの影響を及ぼすかは不透明だが、新興国は対策を講ずるなり、痛みに耐え切る体力をつけないといけない。東京タイムでは、中国1月HSBC製造業PMIの発表が予定されている。結果次第では、中国景気減速懸念が強まり、リスク回避の円買いが加速する可能性もありそうだ。