本日の見通し(東京市場 為替) 新興国に米景気懸念も、世界経済に不透明感
2014年02月04日 08:00
NYタイムはドル売りが強まった。米1月ISM製造業景況指数が市場予想を大幅に下回ったことから、米国経済の改善期待のはく落や不透明感が強まり、為替相場はドル売りで反応した。さらに、ドル円の下落とともにクロス円もつれ安となるなど円も全面高となり、むしろドル売りが落ち着くと円独歩高にシフトした。そのほかの金融市場では、米株安・債券高の展開となり、ダウ平均は前日比300ドル超の下落幅となったほか、米長期債利回りは昨年11月1日以来の低水準を示現した。ドル円は100.77円まで下落し、ユーロドルは1.3536ドルまで反発した。円全面高で、ユーロ円は136.37円、ポンド円は164.30円、豪ドル円は88.24円まで下げ幅を拡大した。
昨日のドル円は先週に下げ渋った101円後半の水準を下回り、昨年11月21日以来の安値となる100円後半まで下落した。米1月ISM製造業景況指数は市場予想56.0に対し51.3と大幅に下回った。新規受注の大幅落ち込みが響き、8カ月ぶりの低水準となった。今年に入って米経済が失速している可能性を示唆する結果となり、先行きへの懸念が強まっている。また、1日に発表された中国1月製造業PMIは2カ月連続で低下し、3日の同非製造業PMIも前月を下回った。新興国不安の長期化への懸念が強まるなかで、米中のさえない経済指標の結果を受けて、世界全体の景気の先行きに対する不透明感が強まっている。東京タイムでは、海外市場でのリスク回避の株安・債券高を背景にドル円は上値が重く、下値模索の動きが続く可能性が高い。100円後半で下げ渋っても地合いが悪く、戻りは鈍いだろう。東京タイムでは豪準備銀行(RBA)政策金利の発表が予定されている。政策金利は現状維持が予想されるが、声明で豪ドル高牽制が続くか注目したい。