本日の見通し(東京市場 為替) 安・債券高一服、リスク回避後退も戻り鈍いか

2014年02月05日 08:23

 NYタイムは材料が乏しいなかで水準感を探る展開。ダウ平均が上下しながらも底堅く推移したことは、米長期債利回りの上昇を促し、ドル円の下支えとなった。エバンス米シカゴ連銀総裁が「テーパリングの規模、実際にかなり控えめ」といった内容を示したが、為替相場への影響は特に見られなかった。一方、新興国通貨の上昇は市場に一定の安心感を与えたようだ。ドル円は101.68円まで上昇し、前日のレンジの半値戻し水準を達成した。また、クロス円も買い戻しが優勢で、ユーロ円は137.44円、ポンド円は166.03円、豪ドル円は90.90円まで上昇。
 東京タイムでのドル円は101円後半を中心に底堅い動きとなりそうだ。米中の製造業景況指数の悪化を受けた株安・債券高の流れが一服し、為替市場でもリスク回避の動きが後退。ただ、新興国懸念や世界経済の先行きに警戒感が続くなか、ドル円は戻りの鈍い展開が予想される。週後半に欧州中央銀行(ECB)理事会や米雇用統計など注目イベントが多数控えていることから、徐々に様子見ムードを強める可能性もありそうだが、神経質な地合いは続くだろう。市場予想を大きく下回った3日の米1月ISM製造業景況指数の結果を受けて米1月雇用統計への警戒感が強まっていることも、ドル円の上値を圧迫しそうだ。また、7日には米連邦政府の債務上限の適用停止期限を迎えており、その動向も注目される。米共和党のベイナー下院議長は連邦債務の上限引き上げの条件について、赤字削減措置を求める考えを示し、米財務省は債務引き上げ期限に向けて緊急措置を活用することにした。