本日の見通し(東京市場 為替) 基調はリスク回避、円買い優勢の展開を想定
2014年03月18日 08:00
17日の海外市場ではウクライナ・クリミアをめぐる懸念がやや後退した。欧米のロシアに対する制裁は渡航禁止や資産凍結にとどまり、事態のさらなる悪化が一時的に避けられている。2月の米鉱工業生産が1月の落ち込みから回復したことも、リスク回避の流れをやや反転させた。ドル円は101円後半、ユーロ円は142円ちょうど付近まで戻りを試している。欧州通貨や資源国通貨はドル安推移し、ユーロドルは1.39ドル半ばまで上昇した。
本日の東京市場ではドル円・クロス円の戻りが抑えられそうだ。プーチン露大統領はクリミアを独立国家として認める大統領令に署名し、今後はクリミアを併合する手続きに入っていく見通し。ロシア側はクリミア併合に向けて着々と進んでいる。これに対して欧米側の制裁内容からは、ロシアと過度に敵対する意思はほとんど見えないが、振りかざした拳をおさめる理由は見当たらない。ロシアは欧米側の腰の引けた警告を無視して行動を続ける可能性が高く、落としどころが見つからない限り、西側は禁輸措置をちらつかせざるを得ず、緊迫感は再び高まってくるだろう。
発表予定の豪準備銀行(RBA)議事録については、政策金利の据え置き期間について示唆が得られるなら手がかりとなりそうだが、基本的には中国経済の先行き不安やクリミア情勢など最近の流れに沿った展開になると思われる。