本日の見通し(東京市場 為替) 円高か、クリミアめぐる緊迫感拡大へ
2014年03月17日 08:00
先週末の海外市場ではウクライナ・クリミアで行われるロシア編入をめぐる住民投票実施と、その後の欧米による経済制裁によって、ロシアと西側の緊迫感が高まることが懸念され円高基調が続いた。ドル円は101.21円、ユーロ円は140.46円まで下げた。ユーロドルは米ミシガン大学消費者信頼感指数が弱かったことからドル安となり、1.3939ドルまでしっかりと推移した。
本日も円高圧力が持続しそうだ。週末のクリミアでの住民投票では親露派が大多数を占めた。欧米側は今回の住民投票に法的な有効性はないと繰り返しているものの、中止を求めていた住民投票が実施され、ロシアへの併合支持が公に対して明らかとなったため西側と東側の争点が増えた格好といえる。欧米側が住民投票の実施と結果に法的根拠はなく、受け入れないと繰り返すとしても、ロシア側はこの圧倒的な支持を盾に自らの行動の正当性を広げていく構えであり、東西の対立は一段と深まるだろう。本日から欧米によるロシアに対する経済制裁決定が本格化していく。事態の妥協点は見えず、ロシアによる軍事行動がさらに表面化していくのではないか。
西側と東側の対立の影で、中国政府は人民元の変動幅を基準値の上下2%に拡大した。人民元の自由化を踏まえた措置であり、長期的に経済的なつながりが深い国にとってはプラス材料となるが、焦点は引き続きクリミア問題だろう。