本日の見通し(東京市場 為替) 円売り優勢か、不安要因の消化で
2014年02月12日 08:00
昨日の海外市場では、円売りが優勢となった。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の初となる議会証言では、慎重なステップで量的緩和(QE)の縮小を続けることが表明されたうえ、「労働市場の完全な回復達成にはほど遠い」と認識が示された。特に手がかりとなるような発言内容は見当たらなかったが、景気回復を支援し続けると表明されたことが株式市場で好感され、リスク選好の円売りにつながった。米国の債務上限引き上げ問題について、共和党のベイナー下院議長が付帯条件のない債務上限引き上げ法案を採決する方針を示し、米財政問題に対する懸念が後退したことも背景にある。ドル円は102.71円、ユーロ円は140.31円まで円安推移。ユーロドルは米QE縮小見通しがあらためて示されたことから、1.36ドル後半では上値が重くなった。
本日の東京市場では、円売りが優勢か。NYクローズ後、米下院では債務上限を2015年3月まで適用停止とする法案が可決された。米財政問題を不安視する市場参加者もあったことから、マーケットに対する短期的な重しがまた一つ取り払われた格好となっている。本法案に付帯条項はついておらず、上院も通過する見通し。米債務上限問題は根本的な解決がまた棚上げされる結果となったが、ドル円やクロス円にとっては最近の反発を後押しする内容だ。反発局面のなかで一定の戻りのめどとなる21日移動平均線などを上回ってきたクロス円もあり、円安推移が続くのではないか。豪ドル円は度々上値が抑えられた200日移動平均線を上抜いている。