本日の見通し(東京市場 為替) リスク回避ムード継続も、徐々に様子眺め

2014年03月14日 08:00

NYタイムでは円が全面高。朝方に米2月小売売上高や新規失業保険申請件数の好調な結果を受けて見られたドル買いや円売りは短時間で失速した。中国の景気鈍化懸念に加え、ウクライナ情勢の緊張感の高まりが円買いの背景。米経済指標を好感して買い先行で始まったダウ平均は前日比200ドルを超える水準まで下落。米10年債利回りは2.65%割れまで大きく低下するなど、市場全体でリスク回避の動きが優勢に。ドル円は序盤に米指標を受けて反発してつけた102.70円前後から、終盤には101.54円まで大幅下落。ポンド円は168.72円、加ドル円は91.77円まで円買いで推移した。
 週を通してリスク回避の動きが続いている。先週末の中国貿易収支の低調な結果に続き、昨日の中国鉱工業や小売売上高もさえない結果となり、中国景気減速への懸念が再確認される格好となった。さらに16日に予定されているクリミアのロシア編入をめぐる住民投票も、リスク回避地合いを強めている。ケリー米国務長官は、住民投票が実施されれば、週明けにも欧米がロシアに対して重大な措置を発動するとの見解を述べた。主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)も、ロシアがクリミアを編入した場合、追加的な制裁を発動すると警告している。ウクライナ情勢の不透明感は引き続きドル円・クロス円の重しとなりそうだが、16日のクリミア住民投票を控え円買いは一服し、徐々に様子見ムードが強まりそうだ。ドル円の下押しも限られ、東京タイムでは101円前半-102円前半での動きが予想される。低調な指標結果が続く中国に対しては、追加緩和への期待感が強まる可能性もありそうだ。