本日の見通し(東京市場 為替) クロス円による下支えを期待
2014年03月27日 08:20
NYタイムは、オバマ米大統領の発言を受けて地政学リスクが意識されたことから、為替市場ではリスク回避の円買いが優勢で、ドル円は一時102円割れとなった。米耐久財受注はヘッドラインの数字こそ強かったものの、輸送用機器を除いたコアは予想に届かず、前回1月分は総合・コアともに下方修正され、市場のムードを大きく押し上げる力はなかった。オバマ米大統領が「ウクライナでのロシア行為、糾弾は必至」、「国際社会の秩序が試されている」などと発言すると地政学リスクに対する警戒感が高まり、ドル円は19日以来の102円割れとなり一時101.87円まで下落。クロス円でも円買いが強まり、ユーロ円は140.50円まで下落した。ユーロドルもユーロ円の下落や対ポンドでのユーロ売りに押され1.3776ドルまで下押したものの、ユーロ以外の主要通貨は底堅かった。
東京タイム、為替は受け渡しベースで年度末となり、特殊フローによる振幅もありそうで、取引を手掛けにくいかもしれない。ドル円は上下しつつも、102円付近で上値の重い展開が予想される。実質新年度入りとなる本邦株式市場の動向も、海外市場のさえない動きからすれば、為替市場でリスク回避の円買いを巻き戻す支援にはなりにくいだろう。ただ、海外市場でユーロ以外の通貨は対ドルで底堅かった。特にオセアニア通貨はウクライナ情勢が市場に影を落とすなかにおいても、ロシアによる直接的な制裁や報復の対象からオーストラリアやニュージーランドが外れていることが、ここ最近の底堅さの一因になっているとの見方もある。こうした動きが豪ドル円やNZドル円ほかクロス円の下値を支え、ドル円も一定の底堅さを維持することは考えられる。一定のレベルを保ちつつ、新年度入り後の新規投資の活発化を待つことになるか。