本日の見通し(東京市場 為替) ウクライナ情勢でリスク回避、ドル円下値模索か

2014年03月03日 08:01

28日のNY市場では円売りが先行。ミシガン大学消費者信頼感指数やシカゴ購買部協会景気指数の強い結果が好感され、米株価指数が上昇するリスク選好のパターンのなかでドル円は102.30円まで上昇。ユーロ円は141.12円、ポンド円は171.21円、加ドル円は92.47円、NZドル円は85.91円まで円安推移した。ユーロドルはユーロ圏消費者物価指数の鈍化傾向が一巡した印象のなか、ECB理事会での追加緩和観測が後退して1.3826ドルまで上値を拡大させた。ただ、ロシア軍によるウクライナ・クリミア半島への軍事介入観測が浮上すると、円売りは巻き戻されて取引を終えた。
 週末に発表された中国2月製造業PMIは、3カ月連続で前の月を下回ったものの市場予想よりは0.1%高く、分水嶺となる50の大台は維持する格好となった。5日から開催される中国全国人民代表大会(全人代)で穏健的な成長政策が打ち出されることへの期待も集まりやすく、本日発表される中国2月非製造業PMIの結果も見極めたい。一方、ロシア上院がウクライナ南部のクリミア自治共和国で、政情安定まで軍事力を行使することを承認し市場の緊張は一気に高まっている。オバマ米大統領はプーチン露大統領と電話会談を実施し軍事介入を激しく非難、ケリー国務長官が翌日にはウクライナ入りすることが明らかになるなか、露軍が部隊6000人をクリミアに投入して完全掌握したと米当局者から伝わったことで、オセアニア市場早朝からリスク回避的な円買いが入り、ドル円は先週末安値を下回った円高水準で推移している。株安や米金利低下などが顕著となれば、さらなる円高も避けられない展開となろう。ドル円は2月上旬の下げ止まり水準、100.70-80円前後が下値の焦点となりそうだ。
 
  ユベラ