本日の見通し(東京市場 株式) 不安定続く今週は正念場 米経済指標で新興国リスクが解消に向かうかが焦点

2014年02月03日 08:16

 東京市場は不安定な動きが続きそうだ。日経平均株価の予想レンジは14650円-14850円。きょうの下値メドとして参考になるのは、昨年6月安値を起点に8月安値を通る下値支持線の14650円前後。1/30と1/31安値をつないで延長した水準と合致する水準である。
 今週は正念場を迎える。主力企業の決算発表が続くかたわら、一時1ドル=101円台まで進んだ円高は投資家心理の重荷である。新興国市場の不安定な状況はなお続いており、市場では大小問わず悪材料には敏感だ。
 企業決算の好調を背景に市場全体が底上げされるムードではまだないが、外部環境の好転によって企業決算を素直に好感する心理的余裕が生まれるかがポイントとなる。週前半は個別決算銘柄に短期資金が向かう構図がメーンだろう。
 
 今週発表される米1月雇用統計はいつも以上に注目度が高い。非農業部門雇用者数は12月は前月比7万4千人増となり、市場予想(同20万人増)を大きく下回った。それを受けて米10年債利回りは急速に低下し、現在も2.7%前後の推移にとどまっている。1月分の非農業部門雇用者数の市場予想は前月比18万人増(1/30現在)。市場予想を上回る、ないしは前月から改善する結果となれば、金利上昇を通じたドル買いにより円高一服→株価反発という展開が予想される。いずれにしても、米ISM製造業景況指数など米国では主要経済指標の発表が多く、それらの結果によって新興国リスクへの懸念が解消に向かう流れとなるかが焦点となる。
 
 31日のNY株式市場は反落。ダウ平均は前日比149.76ドル安の15698.85ドルで終了した。発表された12月の個人消費は前月比0.4%増(市場予想:同0.2%増)と消費の底堅さが確認された結果となったが、新興国不安を中心としたリスク回避ムードがこれを相殺した。指数は序盤に前営業日比231.06ドル安の15617.55ドルまで下げ、その後は下げ渋ったものの上値は重かった。企業決算がらみでは、30日に発表されたアマゾン・ドット・コムの四半期決算が売上高・利益ともに予想を下回ったことが嫌気されて売られたほか、シェブロンやMasterCardなども決算を嫌気して売られた。
 NASDAQは前日比19.25ポイント安の4103.88ポイント、S&P500は前日比11.60ポイント安の1782.59ポイントで終了した。
 
 円建てのCME225先物は先週末の大証日中終値と比べ240円安の14610円、ドル建ては215円安の14635円で終えた。