本日の見通し(東京 為替) ユーロに下値余地も、イベント前で様子見へ
2013年11月06日 08:12
昨日のNYタイムではドルが上昇。この日発表された米10月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回る好結果となったことに反応した。先週の製造業に続き、米財政協議が難航した影響で政府機関が閉鎖中だったにも関わらず、その影響を打ち消すだけの景況感の回復が示された。内訳の雇用も改善しており週末の米雇用統計への期待も高めている。米長期債に手仕舞い売りが膨らみ、利回りが上昇したこともドル高をサポートした。米株価はダウ平均が序盤に100ドル以上の下げ幅を示現するなど下押しを先行させたが、景気回復期待を背景にプラス圏を回復させる場面もあった。
本日の東京タイムは海外タイムのドル高・ユーロ安基調が継続するか。ユーロ圏経済の見方については直近の雇用関連指標の弱さや欧州各国要人からのユーロ圏経済に対するネガティブな発言によって不透明感が強くなる一方で、米政府閉鎖による悪影響といったところは注目テーマではあるものの、昨日の米10月ISM非製造業景況指数の好結果により欧州・米国の『景況感』といった観点から、東京タイムでもユーロ安・ドル高基調が継続するか注目される。ユーロに関してはこれまでの上昇スピードが速かったことから調整も入っている段階で引き続き下値余地はありそうだが、明日7日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されることから徐々にイベント前の様子見ムードが醸成されてきそうだ。また、ユーロ圏のみならず米国では明日に米7-9月期GDP・速報値、8日に10月分の雇用統計、アジア圏でも週末にかけて中国の主要経済指標が目白押しとなっている。
本日の各国経済指標などの材料はそれらと比較して市場の注目度はさほど高くないとあって、大きな動意にはつながりにくそう。昨日の東京タイムと同様に株価と連動しながらの展開を見込んでおきたい。
なお本邦証券筋からは「ユーロ相場については過去の経験則として、何カ月ぶりの高値をつけにいく際は急ピッチで上昇するパターンが多く、トップをつけてその後に長い陰線をつけると一気に下げることが多い」との指摘もあり、今回もそのパターンにあてはまることから気にかけておきたい。