本日の見通し(アジアタイム 為替) ドル円・クロス円は下値見極める展開か

2014年01月03日 08:10

 海外時間の為替市場は調整主体の展開。利益確定の円買いが入ったほか、欧州通貨は対ドルでも軟調に推移した。円売りポジションの含み益が相応に膨らんでいたと想定されるなかで、含み益が心理的な負担となりつつあるようだ。またそのほかの市場でも、欧米株式市場は値を下げて引けたほか、米国債市場では買い戻しが優勢と、金融市場全体で調整が見られた。ドル円は104.55円、ユーロ円は142.85円、ポンド円は171.84円まで大きく下落したほか、ユーロドルは1.3630ドル、ポンドドルは1.6411ドルまで下げた。
 また、2日に発表された米ISM製造業景況指数は、堅調な水準で安定していることが示されたが、市場への影響は限定的だった。
 ドル円・クロス円は下値確認の展開か。米長期金利が3%を超えてくるなど足元の金利上昇で、米経済成長に対する不安が意識されている可能性はある。米株のさえない動きを受けて本日のアジア株式市場も下落するようなら、ドル円・クロス円の上値の重さが増しそうだ。また直近の中国経済指標への市場の反応は鈍いものの、本日の同12月非製造業PMIが中国の成長減速を意識させるようなら、リスクオフ・ムードがさらに強まることも見通せる。一応、結果に対する動き出しには警戒したい。
 ただ黒田日銀総裁が、読売新聞の単独インタビューで、デフレ脱却に向けた量的・質的金融緩和の期限を当初示していた2年にこだわらず、必要に応じて継続する方針を明らかにしたこともあって、円安地合いは崩れていない。そのため、押し目ではドル円・クロス円には買いも入りやすいと思われ、下押しの幅はある程度限られるか。まずは、調整的な売りが一巡する水準の見極めが必要になるだろう。そのほかでは、NYタイムに複数の米金融当局者の講演が控えていることから、こちらにも注意したい。