ロンドン為替概況 欧州通貨高 欧州経済指標と英中銀安定化報告で

2013年11月28日 22:23

28日のロンドン市場は、ユーロ、そしてポンドが順番に買われている。ユーロ買いはスペイン経済指標がきっかけだった。第3四半期GDP確報値は前月比は+0.1%と速報値と同水準だったが、前年比は-1.1%と速報値から0.1%ポイント上方改定された。11月の消費者物価指数速報値ではEU基準の前月比の伸びが0.3%と予想0.1%から上振れした。1.35台後半で推移していたユーロドルが一気に1.36台に乗せ、ユーロ円も138円台後半から一時139円台に乗せた。139円台での取引は2009年6月以来。イタリア景況感が改善したことやドイツの州ごとの消費者物価指数が上昇したこともユーロ買いを誘ったようだ。ただ、朝方発表されたドイツ輸入物価指数は低下、11月ドイツ失業者数は1万人増と予想以上の悪化したこともあって、ユーロ買いは次第に落ち着いてきている。
 
それと入れ替わりで強い動きとなったのがポンド。この日発表された英中銀金融安定化報告で、住宅市況の高まりを受けて住宅ローン支援策を大幅に縮小する方針が示されている。住宅価格インフレは金融安定への目先の脅威ではないが、リスク拡大の可能性も、と注意を喚起した。タカ派的な措置が講じられることで、ポンド買いの反応が広がった。ポンドドルは1.63台前半での振幅から一時1.6350近辺へと上昇。ポンド円は166円台後半から一時137.20台まで上昇、2008年10月以来の高値水準となった。
 
欧州株はプラス圏で推移しており、リスク選好ムードも継続している。豪ドル円は93.50近辺、豪ドル/ドルは0.9150近辺へと本日の高値を伸ばした。ドル円は102.10-20レベルで揉み合っていたが、一時102.30レベルと東京早朝の高値を更新する場面もあった。このあとのNY市場は感謝祭のため休場となるが、市場には感謝祭から始まるクリスマス商戦への期待感があり、リスク選好の動きを支えている面もあるようだ