ロンドン為替概況 欧州通貨主導で円安・ドル安 政治安定期待で欧州株反発

2013年11月27日 21:58

27日のロンドン市場は、ポンドやユーロなど欧州通貨主導で円安・ドル安の動きが広がった。
 
東京午後に報じられたドイツの大連立合意を受けて欧州株が反発して取引されており、リスク選好の動きとなっている。ドイツの大連立では、最低賃金の引き上げ、法定退職年齢の引き下げ、年金の引き上げなどが合意されている。国民の所得向上が図られることで、内需に好影響が期待されるという。また、独紙がECBが企業向けに融資を行うことに合意した銀行のみを対象に追加の長期資金供給オペ(LTRO)を実施することを検討、と報じたことも好感されたようだ。この日発表された11月の独GfK消費者信頼感指数は予想以上に強く、6年来の高水準だった。一連の材料に支えられてユーロドルは1.35台後半から一時1.36台に乗せた。ユーロ円は137円台後半から138円台半ばへと上昇、2009年8月以来の高値水準で取引された。
 
ユーロを凌ぐ強さを見せたのがポンドだった。英第3四半期GDP改定値は前期比+0.8%、前年比+1.5%と予想通り速報値から変わらない伸びだった。当初はややポンド売り反応がみられたが、すぐに買い方向に切り返すと一気に高値を伸ばしている。ポンドドルは1.62手前水準から一時1.6328レベルと、1月2日以来の高値水準をつけた。ポンド円は164円台後半から一時166円台に乗せ、2008年10月以来の高値水準となった。英GDPは消費が支える形で、内需主導の成長となっている。欧州と比較すると高成長を維持しており、ユーロ売り・ポンド買いも進んでいる。
 
ドル円はクロス円の上昇とともに買われた。東京市場からの上昇の流れが継続し、一時101.86レベルと11月25日につけた101.92レベルの直近高値に接近した。その後も押し目は浅く、102円台を視野に入れる値動きとなっている。一方、豪ドルは上値が重い。豪ドル/ドルは0.91台前半での揉み合いから0.91割れへ、豪ドル円は一時93円台回復を伺う動きがあったものの、乗せ切れず92円台後半での推移に留まっている。