ロンドン為替概況 新興国通貨弱く円とフランが逃避先 

2014年01月31日 21:49

31日のロンドン市場は新興国懸念を背景に逃避先として円とスイスフランが買われた。ドル円は102円台前半に値を落とし、ユーロ円は138.40近辺と11月28日以来の安値を付けた。ロンドン時間に入って、それまで堅調だったトルコ・リラや南アランドが再び売られ始め、ハンガリー・フォリントやポーランド・ズロチは対ドルで直近の安値を更新した。欧州株式市場ではFTSEユーロファースト300指数が1%超の下落となっており、米債やドイツ債が買われた(利回りは低下)。特に新たな材料はないがヘッジファンドなどの空売りが新興国通貨に対して断続的に入っているようだ。経済指標ではロシアの2013年GDPが1.3%と予想1.5%を下回り、南アフリカ12月の貿易収支は予想ほど黒字額が大きくなかったが、指標後の値動きは限定されている。
 
注目されたユーロ圏の経済指標で失業率は12.0%と前月から横ばいで予想を下回り、消費者物価指数は前年比0.7%と予想外の鈍化となった。ユーロ売りが入りユーロドルは1.3518近辺まで下落したが、米長期金利が低下するにつれて1.3574近辺まで反発する場面もあった。米10年債利回りはユーロドルが高値を付ける場面で2.651%と11月8日以来の低水準を付けている。ドル円も同時刻近辺で102.12近辺まで下落している。ユーロ圏の低い物価動向を踏まえて来週のECB理事会に向けて利下げ観測が高まりそうだ、との声が出ている。