ロンドン為替概況 円相場がじり高、ウクライナの緊張で欧州株大幅安
2014年03月03日 22:11
3日のロンドン市場は、円相場がじり高となっている。ウクライナの緊張が続いていることで、欧州株や米株先物が大幅安となっており、リスク警戒感が広がっている。独DAX指数は一時3%超安となった。ドル円は101.20近辺へと下押しされており、ほぼ1ヶ月ぶりの安値水準で取引されている。ユーロ円は139円台前半、ポンド円は169円台前半へと一段安。豪ドル円は90円台前半での推移。ウクライナのクリミア半島に対するロシアの軍事行動の方針が表明されており、ロシアと米国・欧州との摩擦が広がっている。きょうEU外交代表とロシア外相が会談する予定と報じられているが、市場は外交による解決について懐疑的に見ているようだ。ロシア中銀は市場の混乱を回避する目的で主要政策金利を5.5%から7.0%へと緊急利上げしているが、ロシア・ルーブルは依然として先週末よりも安値水準で取引されている。ロシアやウクライナの債券・株式が大幅安となっており、混乱は続いている。ただ、現状では主要国通貨への影響は限定されている。ユーロドルは1.37台後半、ポンドドルは1.37台前半で推移している。やや売りが優勢ではあるが、東京タイムからの安値は割り込んでいない。
この日は英欧などの2月製造業PMIが発表された。欧州ではイタリアが予想を下回ったものの、フランス、ドイツ、ユーロ圏の確報値は予想を小幅に上回った。ただ、ウクライナ情勢緊迫化が重石となっており、ユーロ買いの反応は限定的だった。英国も予想を上回る結果だった。ポンドは発表前の下げを一時消したが、上値は重く再び安値付近へと押し戻されている。