ロンドン市場 欧州通貨安、ユーロはポルトガルへの懸念も重し

2013年07月12日 20:23

ロンドン午前はユーロやポンドが軟調。欧州勢の参入後から対ドル・対円でじり安傾向が継続し、ユーロドルは1.3036ドル、ユーロ円は129.07円まで安値を更新した。ポルトガル大統領が内閣改造案を拒否し与野党に緊急協定の締結を提案したことで、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)からの国際支援を得るための改革を実施した上で来年に総選挙を実施する可能性が浮上している。政局の混迷が再び意識されたことで、同国の10年債利回りは一時7.05%まで上昇しユーロのネガティブ材料として意識された。ポンドも対ドルは1.5115ドル、対円は150円の大台を割り込んで上値重く推移した。ただ、基本的には週末を控えたポジション調整の動きが支配的だったと思われ、欧州通貨の下げ幅は限定的。フロー主導でユーロポンドにユーロ買い・ポンド売りが持ち込まれたことで、ユーロドルは1.3060ドル前後まで持ち直すなど方向感には乏しかった。

その他ではユーロやポンドの対ドルでの下落が波及する格好で、資源国通貨も次第に上値が重くなる展開。豪ドル/ドルは0.9110ドルまで安値を更新し、NZドル/ドルは0.7840ドル近辺まで水準を下げた。週明け15日には中国GDPや主要経済指標の発表が予定されており、警戒感から中国株が引けにかけて下げ幅を広げたことも意識されたもよう。米量的緩和の早期縮小観測が後退し、欧州株が続伸した動きには特に反応はなかった。豪ドル円は90.31円を示現し、NZドル円は77円後半で戻りが限定的。

ドル円は99円前後でもみ合いを継続。欧州通貨を中心とした対ドルでの軟調な動きが下値を支えたが、ポルトガルの政局不透明感や米金融政策に関する思惑から米長期金利が2.50%近辺まで低下幅を広げたことが上値を圧迫。結果的に東京タイムに形成した日通しレンジのなかでの振れ幅にとどまった。