ロンドン市場 午前 欧州通貨全面高、ユーロはPMIを好感

2014年01月23日 20:54

 ロンドン午前は、欧州通貨が全面高となった。序盤からドル売りが先行し、ユーロはユーロ圏と主要国の仏・独PMIが市場予想を上回ったため一段高となった。独1月製造業PMIは56.3で、2011年5月以来の高水準となった。今週に入って1.35ドル台での上下を続けていたユーロドルは1.36ドルの大台を回復し、1.3647ドルまで大幅上昇し、ユーロ円も142.43円まで上値を伸ばした。昨日、英失業率の改善を受けて堅調推移が続いているポンドドルは2011年8月以来の高値となる1.6616ドルまで上昇し、ポンド円も173円前半まで切り返した。フィッシャー英MPC委員は、失業率は依然として高止まりしており、英景気回復の継続には緩和的な金融環境が不可欠とのハト派寄りの発言が伝わったが、反応は見られなかった。また、スイスフラン(CHF)も強含んだ。ドル/CHFは0.9019CHFまでドル安・CHF高が進み、CHF円は115.65円まで上げ幅を拡大した。スイス政府は住宅ローン市場の過熱感や不動産価格の上昇継続に対応するため、銀行資本の上積み規制を1%から2%へ強化した。スイス国立銀行(SNB)は「低金利環境がリスクを一段と強めている」との認識を示した。
 資源国通貨は重い動き。豪ドルは、東京タイムの中国HSBC製造業PMIがさえない結果となったことが蒸し返され、豪ドル/ドルは0.8775ドル、豪ドル円は91.48円まで下押し、昨日強い豪CPIを受けた上昇幅を失った。また、加ドルは昨日のカナダ銀行(BOC)のハト派寄りの声明文を背景とした軟調地合いが継続し、ドル/加ドルは2009年7月以来の加ドル安水準となる1.1174加ドルまで上昇し、加ドル円は93.42円までレンジ下限を広げ、昨年10月末以来の安値をつけた。
 ドル円は動意鈍い。ドル売りが先行する局面で104.21円まで下押したが、ユーロ円の反発などで下げ渋ると、104.30円付近で横ばい推移を続けた。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、方向感が乏しい。