ロンドン市場 午前 欧州通貨に調整、日銀総裁会見は無風

2014年03月11日 20:11

ロンドンタイム午前の為替市場は、欧州通貨に若干の動意が見られたが、基本的には手掛かり不足で方向性の見定めづらい展開が続いた。
 ユーロドルは、ウクライナ情勢に対する不透明感や、欧米金融政策の温度差が意識される中、目先の節目だった昨日安値1.3862ドルを割り込んだことで売りが優勢となり、1.3839ドルまで下げ幅を広げた。ユーロ円も142.91円まで日通し安値を塗り替えた。コンスタンシオECB理事は「ECBに対する一部の解釈に幾分落胆している」、「ECBは利下げ可能であり、量的緩和も選択肢」と述べ、必要なら行動する構えを示した。とはいえ、材料不足で積極的に取引する様子は感じられず、値幅は限定的だった。この日発表された伊10-12月期GDP確報値は、速報値からのズレはほぼなく市場への影響はほとんどなかった。
 ポンドドルも上値の重い展開に。序盤には1.6653ドルまで買いが先行した。しかし、昨日に通貨高に対するけん制的な発言から売りが強まった流れが尾を引き、次第に上値が重くなった。ポンドドルは買い一巡後に1.6605ドルまで下げ幅を拡大した。ポンド円も171.51円まで下落する場面があった。
 一方で、ドル円は103円前半で小動き。黒田日銀総裁の会見では「必要なら、躊躇なく調整」としながらも「現時点で何か必要な調整があるとは思わない」とのこれまでの立場を繰り返しただけで、新味な内容は聞かれず。そのため市場ではあまり材料視されなかった。ドル円は、市場に対するリップサービスを期待する向きもあったことから、内容が伝わった直後に103.19円までレンジ下限を広げる局面はあったが、その後は103円前半でもち合う格好となった。
 
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