ロンドン市場 午前 欧州通貨が上下動も、方向性は定まらず
2014年01月14日 21:49

ロンドンタイム午前は欧州通貨が上下動。序盤こそ欧州通貨の下押しが進んだが、ノボトニー・オーストリー中銀総裁がユーロ圏経済に対する前向きな見解を示したほか、英インフレ指標への期待からユーロやポンドは買い戻しが進んだ。ただ、市場の関心が米金融政策をめぐる動向に注がれているため、ロンドンタイムでは動きづらさもあり、明確な方向性は定まらなかった。また円に関しては、日米の金融政策への思いや米長期金利が戻し気味に推移したことから、じり安で推移。とはいえ、ドル高の調整が進みやすい状況の中で、円の下値は限定的だった。
ユーロドルは、比較的限られた値幅で上下動。序盤にポンドドルの下押しに連れて1.3649ドルまで安値を更新。その後、ノボトニー・オーストリー中銀総裁の「昨年より今年の見通しは良い」、「今年のユーロ圏の成長率は平均で+1%だろう」との発言を受けて、1.37ドル付近まで瞬間反発した。ただ、「ユーロ圏の回復はまだら模様」と先行きに対する不透明感を完全に払しょくするだけの内容でもなく、買い一巡後は1.36半ばへ押し戻された。
ポンドドルも1.6368ドルまで日通し安値を更新した後は、英インフレ指標を前に買い戻され1.6448ドルまで反発した。しかし、英12月消費者物価指数が前年比で+2.0%と市場予想+2.1%を下回ったほか、同時に発表された生産者物価・小売物価指数は予想通りとなり、英インフレが落ち着いているとの見方から、ポンドの上昇幅も限られた。クロス円は対ドルの動きに連動。ユーロ円は141.89円、ポンド円は170.52円まで高値を塗り替える場面が見られた。
また、ドル円は底堅い展開に。ユーロ円やポンド円がもち直し基調を強めたほか、米10年債利回りが2.85%付近へ水準を戻したことを手掛かりに103.75円までレンジ上限を広げた。
そのほかでは、オセアニア通貨は明暗が分かれた。利上げに対する期待がくすぶっているNZドルは、対豪ドルでの買い戻しを材料に幅広い通貨で上昇。NZドル/ドルは0.8432ドル、NZドル円は87.34円と2008年2月以来の高値を更新した。一方で、豪ドル/ドルは0.8992ドルと0.90ドルの大台を割り込んだほか、豪ドル円も93.16円まで下落するなどさえない展開となった
