ロンドン市場 午前 円全面高 露大統領がクリミア編入申請を指示

2014年03月18日 19:53

ロンドン午前は円全面高。この後、日本時間20時より、プーチン露大統領がクリミア自治共和国で実施されたロシア編入の是非を問う住民投票の結果を受けて議会で演説を実施する予定となるなか、当初は様子見姿勢が強まっていくと想定されていた。しかし、大統領がクリミアのロシア編入申請を政府と議会に通知し、手続きを進めたことを大統領府が伝えたことで、議会演説を待たずに市場ではリスク回避地合いが再燃。欧州株や日経先物の下落、米長期金利の低下も手伝って円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は下値を広げた。
 ドル円は101.32円まで日通し安値を更新してクリミア住民投票実施前の水準まで下落。前日来の巻き戻しで上げた値幅を帳消しにした。ポンド円は168.23円、豪ドル円は91.93円、NZドル円は86.66円、加ドル円は91.69円までレンジ下限を拡大させた。大証の日経先物は日中引け値から一時150円下落し、時間外の米長期金利は2.663%まで低下幅を拡大させた。ユーロ円は独・ユーロ圏の先行きの景況感が大きく鈍化したことも嫌気されて140.75円まで下落して前日安値に並んだ。
 対ドルも総じてじり安。米金利低下はドル売り要因だったが、クロス円の下落や株安が上値の重しとなった。ユーロドルは独とユーロ圏のZEW景気期待指数がクリミア情勢の緊迫化もあって総じて下振れたことも重なり1.3890ドルまで下値を拡大。ポンドドルは1.6590ドルまで売られるなど、地理的な懸念もあって欧州通貨の軟調が目立った。豪ドル/ドルは0.9064ドル、NZドル/ドルは0.8542ドルまで安値を塗り替えた。なお、中国当局が19日から人民元とNZドルの直接取引を開始させると発表したがNZドルの動意は限定的。ただ、対豪ドルでのNZドル高基調も支えに下値は限定的だった。