ロンドン市場 午前 ユーロは反落、ECBのOMTめぐる報道が重し

2014年02月07日 22:12

 ロンドン午前の為替市場はユーロが反落。独憲法裁判所が「ECBの債券買い入れプログラム(OMT)が、ECBの責務を超えている」として、EU司法裁判所に見解を求めたとの報道が重しとなった。財政ファイナンスにあたると判断されれば、南欧諸国の債務問題が再燃する可能性があることから、ユーロ売りにつながった。独憲法裁は「財政ファイナンス禁止に抵触する重大な理由がある」とした。これに対してECBは「OMTは責務の範囲内」との声明を発表している。
 そのほか、この日発表された経済指標では、英12月鉱工業生産・前月比が+0.4%と市場予想+0.6%を下回った一方で、英12月貿易収支は77.17億ポンドの赤字と市場予想より赤字額が減少するなど、強弱まちまちの内容だった。
 ただ、全体的には今晩の米雇用統計を控えて様子見ムードが強く、各通貨の値動きは小幅なものにとどまった。
 ユーロドルは、前述の報道を受けて1.3552ドルまで下落。ユーロ円も138.17円まで下げた。その後、ECBの声明を受けて小幅に買い戻されたが、不透明感を払しょくするだけの手掛かりもなく戻りは限定的だった。ユーロ円は、これより先に株高を受けた円売りの流れから138.92円まで上昇幅を広げる場面があった。ポンドドルはいく分荒っぽい展開に。序盤に対ユーロでポンド買い戻しが進んだ影響から1.6359ドルまで上昇したが、指標発表を控えた調整売りに押されて反落。鉱工業生産の結果も重しとなって、1.6302ドルまで下げ幅を拡大した。ただ、すでに高値から売り込まれていたほか、貿易赤字の縮小を受けて安値からはなれる動きとなった。また、ポンド円も167.17円まで高値を更新した後に166.33円へ反落。売り一巡後は166円後半へ切り返すなど、比較的狭いレンジで上下動した。
 ドル円は、ロンドンタイム入りにかけて昨日高値102.18円を超えて102.24円までレンジ上限をわずかに拡大した。しかし、さらに上値を伸ばすだけの力強さはみられず、その後は東京タイムからのもち合いレベルとなる102円前半での小動きが続いた。