【視点】 ECBの政策がどうであれユーロには買いの芽

2014年03月06日 20:40

楽天証券 マーケティング本部 債券事業部長 相馬勉氏
 
ECBの政策がどうであれユーロには買いの芽
 
 今日もECBは行動を起こさないだろう。ウクライナ問題も抱え、物価の下落が止まりかける兆候もあるなか、ここであえて策を講じる必要はないと思う。いつも通りにドラギ総裁が追加緩和の用意があることを強調するだけになるだろう。いつかは国債購入などの量的緩和を実施せざるを得ない状況になるだろうが、現状では規制も多く踏み込めない。利下げも目先の選択肢の1つであるものの、あと0.25%しか引き下げ余地がないなか、マイナス金利も理論上は可能だが実務上は不可能に近い。独の強い反対もあってハードルも高く、仮に利下げを実施してしまえば当面手詰まり状態になってしまう。一部に緩和期待があることで現状維持となればユーロは買われるだろう。ただ、デフレ懸念が根強いなかで通貨が上昇していくかつての日本と同じようなパターンになるイメージを持っているので、むしろ金利を引き下げたほうが次のアクションとして考えられる量的緩和の実施まで時間を要するため、安心してユーロのロングを保持できる。どちらにしてもユーロの目線は上方向になるのではないか。
 
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