【視点】 CPIの基調変わらず、生産活動は早めの回復見込む
2014年02月28日 17:03
本日発表された1月全国消費者物価指数は、季節調整済みで日銀が物価変動で重視する生鮮食品を除いたコア部門が前月比プラスとなった。引き続き、インフレ率が緩やかに上昇する傾向が続いていると考えられる。先行指数となる2月東京都区部消費者物価指数のコアも前月比で上向いているため、こうした状況は日銀のインフレ率に対する見方を変化させるものではなかったと判断できそうだ。
1月鉱工業生産・速報値は前月比+4.0%と2008年10月以来の高水準となり、前年比でも+10.6%と高い伸びを示した。3月の生産予測指数が前月比-3.2%と、2月の同+1.3%から低下していることから、4月の消費増税後の駆け込み需要による反動を見越した生産活動を見込んでいることが読み取れる。商業販売統計でも、足元の自動車等の耐久財消費が非常に堅調であることから、やはり反動で4-6月期は減少する可能性が高いと見ている。鉱工業生産では1月の在庫が前月比-0.9%、在庫率は同-5.6%となった。在庫率は2010年9月以降でも最も低い水準にとどまっており、企業は4-6月期の需要低下を見込んで在庫を積み増さない慎重な動きを取っている。こうした意味では比較的早い段階で生産活動が持ち直す環境にあると思われ、7-9月期以降はプラスに転じていくと見込んでいる。