【視点】 BOE、断固として利上げは回避

2014年02月13日 15:55

独立系調査会社シニアストラテジスト A氏
 
 昨日、イングランド銀行(BOE)は四半期インフレ報告を公表し、国内総生産(GDP)見通しを上方修正した。2015年からの出口戦略が視野に入っている。個人的には英失業率の急低下などの背景が釈然とせず、欧州景気回復のぜい弱性が残ることから英景気の先行きも盤石ではないと見ているが、思い切った景気見通しの上方修正だったと思う。全体的とはいえないものの、確かに英経済指標には強い内容が多い。
 インフレ見通しについては不安が残る。輸入物価によって英インフレ率は左右されやすく、堅調なポンド相場が崩れると物価には上昇圧力がかかる。従来からBOEのインフレ見通しは甘い。
 フォワードガイダンスはほぼ放棄した格好だ。あれだけ経済指標を列挙すれば市場参加者などに上げ足を取られることもない。失業率低下のように見通しを外すことはなくなる。ただ、景気回復局面を守るため、早々と利上げはしないという断固たるメッセージは伝わった。