【視点】 米雇用統計、やや弱かったADPのイメージ想定

2014年02月06日 20:29

ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員・土肥原 晋氏
 
寒波やクリスマス要因のはく落による米雇用の落ち込み、非製造の雇用堅調が緩和
 
 週末7日の米1月雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数が+18万人台、失業率が6.7%。調査対象週前に寒波は落ち着いたようだ。しかし企業がすぐに雇用増に動くと限らない。前回12月分で寒波が特に影響した建設業の増加は期待しにくい。
 それ以外も読みにくい。12月、小売関連の雇用はかなり増えた。クリスマスセールが前半に振るわず、後半かなりテコ入れしたためだろう。小売業は+5.5万人(11月+2.2万人)、人材派遣業も+4.0万人(同+1.3万人)となった。ただ、クリスマス要因がなくなる分は大きい。寒波の悪影響を中立にみても、小売関連は若干マイナスになると思う。
 多少良い材料は、ISM非製造業の雇用指数が55.6から56.4と、大きくないが悪くもない水準だったこと。この点からは、雇用統計がひどい落ち込みにならないとも受け取れる。
 一方で、1月発表の経済指標はそれほど強くなかった。景気が活況だったとの感じはなく、自動車販売も予想をかなり下回っている。寒波の影響を受けたことと、ISMで製造業は弱かったものの非製造では雇用の数字が上昇したことからすれば、雇用全体とすれば若干落ち込むがひどくない結果といった感じだろう。
 もっとも多少弱めにみるに越したことはない。市場でも数字が低めに出てくるとみている人は多そうだ。ちょうど、昨日のADPが予想の+18.5万人をやや下回る+17.5万人となったのが、しっくりくるイメージだ。市場コンセンサスの+18万人台を達成すれば、かなり良い結果との解釈になるかもしれない。