【視点】 米株価が市場のリスク回避姿勢を反転させるか注目

2014年03月03日 16:19

IG証券 マーケットアナリスト 石川順一氏
 
米株価が市場のリスク回避姿勢を反転させるか注目
 
 週末にロシア議会がウクライナへの軍事介入を承認したことで本日の為替市場では円が買われて始まったが、徐々に落ち着きをみせるなどリスクオフが一辺倒に継続している印象はない。先週からリスク回避局面で資金の受け皿となりやすいスイスフラン(CHF)や円が買われている兆候は確かにあるが、こうした動きが今後加速するか失速に向かうかのポイントは米株式相場の動向次第になるだろう。1月の新興国懸念に端を発したリスクオフの流れを封じ込めたのが米株の反発だったのは言うまでもなく、今年のリスクオンの先導役は米株価以外には考えられないと思っている。堅調に推移すればグローバル市場もリスクを内包しながらかろうじてリスクオン優勢のムードを保ち、結果として為替市場では円高圧力が後退していくだろう。ただし、米株価のトレンドが反転し、1月のようなリスクが再び意識されて世界的に株式市場が崩れてしまうと、やはり円やCHFへの買いが強まるシナリオとなろう。
 今週は18-19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、週末の米雇用統計を筆頭に注目度の高い経済指標の発表が相次いで予定されていることから非常に重要な週となろう。今週公表されるデータの結果によって、FOMCの出方も決まってくると思われるため、結果を受けた株価の動向とあわせて警戒したい。