【視点】 米景況の改善始動、織り込みきっていないうちが好機

2014年03月11日 20:51

MBC日興証券 金融市場調査部 シニアマーケットエコノミスト 嶋津洋樹氏
 
新興国問題もあり上がりきらない状態、取引の好機になる可能性も
 
 先週末の米雇用統計は想定以上に強い内容だった。弱気にかなり傾きつつあった米景況の見方を変えるきっかけになりえる。ただ、季節性の要因で雇用者数がかさ上げされていると考える市場関係者の声も聞かれる。私自身は天候要因による悪影響はこなしたと思っているが、マーケットのセンチメントは、まだ完全に好転するに至っていない。来月発表分の雇用統計までに出てくる標内容をにらみながら、市場は景況回復への確信を徐々に固めていくだろう。
 中国やウクライナの問題もあり、マーケットはまだ上方向にシフトする感じではない。しかし私自身は何か新たな特別な理由がない限り、今年の米経済は好調に推移すると思っている。好材料の織り込み前で、まだ市場が落ち着いている状態は、ドル資産を取引きする上において好機になる可能性がある。
 
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