【視点】 米小売悪くドル円下落なら待ち構えて買う

2014年02月12日 18:31

三菱UFJ信託銀行 資金為替部 為替グループ グループマネージャー 市河伸夫氏
 
米小売悪くドル円下落なら待ち構えて買う 
 
 米雇用統計の結果は良くなかったが、寒波の影響という、一種あきらめのようなものが市場にある。ただし、2カ月連続で雇用統計が弱かったことで、テーパリング(緩和縮小)は加速しにくいとの見方が浸透した。これは新興国に関する懸念解消に作用している。昨日のイエレンFRB議長の議会証言でも、必要があればテーパリングを立ち止まるとの姿勢を示していた。
 12月、1月の米経済指標について、市場はすでにあきらめているが、寒波は春が訪れれば解決する問題。年末・年初の雇用統計の変動が大きかったため、市場は陰の極に振れがちだったが、まだ長い今年の残り期間に同様のペースが続くと思えない。
 1月は消費も落ち込むかもしれない。しかし回復は2月なのか3月なのか不確かだが、反動も大きくなりそう。IMFやイエレンFRB議長が示した成長は3%ほどだが、その信ぴょう性が問われてくる。指標悪化直後にポジションを調整したらいったんおしまいといった状態を想定している。明日の米小売売上高は1月の数字のひとつで、悪い可能性は高い。だが、そこでドル円が水準を下げるようであれば、買うしかない感じで待ち構えている。