【視点】 米国資産購入額を100億ドル縮小し650億ドルに
2014年01月29日 17:29

第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト 桂畑誠治氏
1月FOMC予想、ファワードガイダンスは変更しない見込み
バーナンキFRB議長が参加する最後のFOMCが1月28、29日に開催される。経済成長などが概ねFOMCの12月の予想に沿った動きとなっていることから、資産の購入ペース縮小を決定すると予想される。毎月の資産購入額は、100億ドル縮小され、総額650億ドル。内訳は、国債、MBS(住宅ローン担保証券)をそれぞれ50億ドルずつ縮小し、購入額は国債350億ドル、MBS300億ドルとされよう。
12月雇用者数の増加ペースが大幅に鈍化したほか、新興国市場の急落など、景気の先行きを懸念させる要因もある。しかし、雇用者数の伸び鈍化は寒波による一時的な動きであること、景気全般の動きが年内改善を続け、1月も消費者や企業マインドの安定から、緩やかな成長を維持しているとみられる。また、新興国市場の急落の影響は限定的であるうえ、当事国の構造改革の遅れが主因であり、世界経済に悪影響を及ぼすことが確認されるまで、金融政策に影響は与えないであろう。
フォワードガイダンスは、前回12月のFOMCで定性的な強化が行われたばかりであるほか、会合後の記者会見が予定されていないこと、FOMC 参加者の経済予測も公表されないことから変更はない見込み。景気判断は、足下での経済成長の加速を受け経済活動は若干勢いを増し緩やかな拡大を維持しているとして小幅上方修正されよう。インフレ判断、景気・雇用見通しは変更なし。この見通しのリスクは、中立との判断も維持されよう。3月以降の金融政策の方針では、引き続き経済情勢次第でQE3の縮小を行っていく方針を示すだろう。
