【視点】 想定していた最悪の事態回避でドル円は一定の反発へ

2014年03月18日 16:22

みずほ証券・投資情報部 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏
 
想定していた最悪の事態回避でドル円は一定の反発へ
 
 クリミアでの住民投票の結果を受け欧米が発表した制裁の内容からは、本気で喧嘩をするつもりはさほどないとの印象を持った。市場は最悪の場合、クリミアを挟んでロシア対NATOの武力衝突が発生することも警戒していたが、やはりEU・米国・ロシアそれぞれがお互いに本格的な対立は望んでいないのだろう。こうなると勝ち負けをはっきりさせるのは難しく、事態の収束までには時間を要する可能性があるが、少なくとも武力衝突といった最悪の展開は回避されるとの見方が強まったため、足元ではポジション調整的なリスクオンの動きが優勢になっているのだろう。
 ドル円は3日安値101.20円を前に下げ止まって切り返したきたことから、この水準がいったんの底値と判断できそう。クリミア問題で最悪の状態は免れるとの見方とともに一定程度の反発を伴いながら102円台を回復させる展開が見込まれよう。