【視点】 ドンと響きたて進んだリスクオフの解消は難しいか

2014年03月14日 22:10

ニッセイ基礎研究所 経済研究部 チーフエコノミスト・矢嶋康次氏
 
クリミア選挙は親ロシアな結果を想定、中国リスク重なればさらにネガティブな展開
 
 昨日の海外市場で、スピードがあったという以上にドンと響きをたててリスクオフが進んだ感を抱いている。来週も回復は難しいそうだ。しばらく立ち上がることができず、このままの状態で年度末まで推移してしまうのではないかと懸念している。もともとドル円は103円に少しとどかないぐらいの上値の重いレベルで年度末を迎えると思っていたが、それよりもさらに低いレベルとなるかもしれない。
 週明けのウクライナでの選挙の影響も読みにくく、不透明感が拭えない。クリミアでロシアの存在を背景とした意向が否定されることはないと思う。万が一、否定されればポジティブな反応が大きいと思うが、それはきつそうだ。親ロシアな結果なら、長期にわたりネガティブな影響が出てくる部分を再考しシナリオを立て直さなければならない。そのためリスクが取りにくくなる。まずは現状レベルで、市場全般的に重い動きが続くだろう。さらにネガティブな方向へ市場が進むとしたら、やはり中国に関する問題が重なった場合だ。個人的には中国の景況が底割れすることはないと思っている。しかしこれだけ高まった不安心理の解消は難しいかもしれない。
 
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