【視点】 ドル円レンジ 上昇の可能性あるのはユーロか

2014年02月24日 16:31

楽天証券 マーケティング本部 債券事業部長 相馬勉氏
ドル円はG20も終わり目先はこれといった大きなイベントがないなか、雇用統計を消化して来月半ばのFOMCを待つ展開となる可能性も否定出来ない。ドルの弱い流れは当面変わらないと思うが、円も消費増税後の落ち込みと日銀の積極的な態度からは先行きの円安が想定され、ドル円・クロス円を売り込めない。下値は買われるが上振れれば手仕舞いが出るので短期売買がメインになりそう。来月のFOMCでは金利に関するガイダンスは変更しないのではないか。議長が交代したばかりなので最初の1-2回はテーパリングを継続させながら様子見となろう。1・2月の米経済データが大寒波の影響で弱めだったことが、なおさら判断を難しくさせていることも影響しそう。
 ユーロはスペインの格上げや伊の格付け見通し変更などポジティブな材料が散見される。また、成長率に関してはまばらで他の先進国と比べて見劣るが、それ故に金利を上げるわけにもいかず、経常収支がすべての国で改善している状況下で低金利政策が続くとなればユーロに資金が流入する可能性は高いと思われる。米国の成長率が抜きん出ているのであれば話は変わってくるが、テーパリングを粛々と進めてもドルが弱い状況であれば、むしろデフレ懸念のあるユーロが高くなっていく流れがあってもおかしくないだろう。
 
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