【視点】 ドル円 短期と長期の見通しの狭間でもみ合いか

2014年02月20日 15:35

みずほ証券・投資情報部 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏
 
ドル円 短期と長期の見通しの狭間でもみ合いか
 
 前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録はバーナンキ氏退任直前の会合内容であり、イエレン議長にまだバトンが渡っていないため、次回3月会合から本格的な議論が開始されるとの印象を持った。ただ結果としてサプライズはなかったものの、テーパリング停止のハードルの高さが示され、数名のメンバーからは比較的早い段階での利上げが適切との認識があるなど全体的なトーンはタカ派寄りだったイメージ。政策金利に関するガイダンス変更の可能性が検討されたが明言されておらず今後の注目材料になりそうだが、定量的よりも定性的なガイダンスになると予想する。
 ドル円は短期的にはもみ合いだろう。本日の中国PMIの結果も弱く、2月末あたりから中国や新興国市場に不安や動揺が見られる。かつ、米経済指標も1月以降、特に2月から全般的に弱い内容が続いているなか、短期的なドル売り・円買いリスクは意識される状態。一方で中長期的には米国の緩やかな景気回復基調に対して日本は消費増税後の景気の落ち込みが想定されるなど景況感の違いは明白。金融政策面でも緩和スタンスを継続する日本と、緩和策を縮小中の米国では差がある。長期的なドル高・円安見通しと短期的な下押しへの警戒感のなか、年初の高値と心理的な節目100円の中間地点にあたる102円台での推移は迷うのにちょうどよいレベルともいえ、現水準を中心に目先はもみ合いが続きそうな感じでみている。