【見通し】(NY市場 株式) 軟調地合い継続、地政学リスクは事態の進展待ち

2014年08月06日 20:59

本日のNY株式相場は軟調か。昨日はウクライナ情勢を巡る懸念が高まり、売りが優勢となった。本日もリスクに対して敏感な状況が続こう。ポーランドはロシアの脅威に対して敏感であり、ある意味で炭鉱のカナリアといえる。一方で、過剰に反応する傾向もあるようで、見極めが必要となりそうだ。ただ、少なくとも、目下の東ウクライナの情勢は、新ロシア派が劣勢でウクライナ軍が攻勢を強めているようであり、ロシアが何らかの形で介入してくる可能性はゼロではない。
 
 
ポーランドもさることながら、欧州の対ロ政策のカギを握るドイツの動向が、今後より重要になりそうだ。ロシアは欧米による経済制裁のカウンターとして、EUの航空各社を対象にシベリア上空の通過便を制限あるいは禁止する可能性が報じられている。こうしたロシアの制裁返しの動きに対するドイツや欧州、そして米国の対応が注目されよう。いずれにしても、事態の進展待ちである。
 
 
米国株式相場そのものは調整相場入りである。ダウ平均やS&P500は25日移動平均線が下向き始め、前者は16333ドル付近の200日移動平均線のサポートを確認する展開となっている。S&P500は年初安値-高値の38.2%押しが控える1900ポイント割れがカギである。スプリントによるTモバイルUSの買収断念や21世紀フォックスによるタイムワーナーの買収断念など、足元で相場を支えてきたM&Aの活況にも変化がみられる。経済指標が乏しいため、軟調地合いのなかで、タイムワーナーや21世紀フォックス、キューリグ・グリーンマウンテンなどの企業決算を見極めることになりそうだ。
 
 
 
5日のNY株式相場は反落。ポーランド外相の発言をきっかけにウクライナ情勢への懸念が広がり、リスク回避の動きが強まった。ダウ平均は前営業日比139.81ドル安の16429.47ドルで終了した。
 
 
米主要株価指数は売りが優勢。ポーランドのシコルスキー外相がウクライナ情勢について、ロシアがウクライナ国境沿いに軍部隊を集結させているとし、「ロシア軍がウクライナに圧力を掛けるか侵攻する構えだ」と述べたことを受けて、リスク回避の売りが広がった。また、ロシアのタス通信が、プーチン露大統領が欧米諸国によるロシア制裁に対して、報復措置を用意していると述べたことを報じたこともリスク回避の動きをあおった。
 
 
NASDAQは前営業日比31.05ポイント安の4352.84ポイント、S&P500は前営業日比18.78ポイント安の1920.21ポイントで終了した。
 
 
 
XEMarkets 口座開設