【見通し】(NY市場 株式) イエレン議長の議会証言の消化は難しいか
2014年07月16日 20:53
本日のNY株式相場は神経質な動きか。イエレンFRB議長の議会証言は、慎重姿勢が強調される報道がある一方、労働市場の改善が想定を上回った場合に金利は予想より早く上昇する可能性があると述べたことを強調する報道もあった。株式市場的にはどちらの見方が、今後優勢になるかがカギになる。前者ならば買い材料であり、後者ならば売り材料である。目先的に勝負付けが難しいが、ベージュブックなどの中身にも注意が必要になってきそうだ。
市場的にはそれ以上に、小型株やバイオテクノロジー、ソーシャルメディアセクターなどの株価収益率(PER)について、歴史的基準に比べ高いようだとイエレン議長が述べたことが重要視されそうだ。3月、4月はこれらのセクターが大きく調整する一方で、S&P500やダウ平均の大型株は相対的にしっかりとした動きとなった。当時のようなステルス・コレクションを繰り返すのか、それとも今回は小型株やモメンタム銘柄主導で全体の調整が始まるのか注視する必要がある。
なお、本日はバンク・オブ・アメリカ、ブラックロック、チャールズシュワブなどの金融株の決算が発表される。ここまで金融株は予想を上回る決算が続いている。仮に予想を下回ることがあっても、全体に波及するよりも当該銘柄が大きく売られることになりそうだ。経済指標は6月鉱工業生産、6月生産者物価指数、ベージュブックなどが発表される。
15日のNY株式相場はまちまち。発表された金融機関の決算が予想を上回る結果となったほか、イエレンFRB議長がハト派的なスタンスを維持した。しかし、株価のバリュエーションに関して、一部セクターはやや割高との認識を示したことを嫌気した。ダウ平均は前営業日比5.26ドル高の17060.68ドルで終了した。
米主要株価指数は買いが先行。取引時間前に発表されたJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスの決算が、前日のシティグループに続いて予想を上回る結果となったことを好感。市場予想を下回った米小売売上高の影響を相殺した。その後、注目されたイエレンFRB議長の議会証言では、金融政策についてハト派的なスタンスが維持されたものの、小型株やバイオテクノロジー、ソーシャルメディアセクターなどの株価収益率(PER)について、歴史的基準に比べ高いようだと述べたことが相場の重荷となった。
NASDAQは前営業日比24.03ポイント安の4416.39ポイント、S&P500は前営業日比3.82ポイント安の1973.28ポイントで終了した。