【見通し】(東京市場 為替) FOMC前に手控えムードか
2014年06月17日 08:06

NYタイムでは17日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に各通貨の値動きは限定的。この日に発表された一連の米経済指標は総じて好感される内容だったが、米株価や米債利回りにも強い方向感はみられず模様眺めムードが強かった。米6月NY連銀製造業景況指数は+19.28と、前月からの鈍化予想に反して4年ぶりの高水準を示現。米5月鉱工業生産や同設備稼働率もコンセンサスを上回った。ドル円は米経済指標後の小幅なドル買いを挟みながらも101.80円前後を中心に小幅な振幅。欧州中央銀行(ECB)が今後数カ月新たな政策手段の実施を手控えると一部で報じられたことも手掛かりに、ユーロドルは1.3580ドルまで上値を伸ばした。また、2009年8月以来の1.70ドル乗せを達成したポンドドルは1.69ドル後半でしっかり。
本日から明日にかけて開催されるFOMCを前に積極的な取引は手控えられて、東京タイムでのドル円は101円半ば-102円前半でのレンジ相場が続きそうだ。イラクのイスラム過激派による攻勢を受けて地政学的リスクへの懸念が拡大していることは、引き続きドル円の重しとなるだろう。FOMCでは量的緩和(QE)縮小の継続が予想されており、現在のペースでQE縮小を続けると10月ごろには終了する見込みになっている。雇用統計はおおむね良好な結果となったが、小売売上高や住宅関連指標の弱い結果も散見されており、イラクやウクライナの地政学リスクも意識される中、FOMCでは景気見通しが上方修正されるかどうか、足もとのQE縮小ペースを調整する必要があると判断するかどうかも注目されている。東京タイムでは豪準備銀行(RBA)金融政策決定理事会の議事録(6月3日開催分)が公表される予定。サプライズはないと見込んでいるが、豪ドル高へのけん制や「緩和策が当面適切である公算が大きい」との見解に関する議論の内容を再確認したい。

