【見通し】(東京市場 為替) 連日高値更新の中国株をにらんだ展開か
2014年11月26日 08:00
NYタイムは、ドルが米指標の強弱を受けて振幅。米7-9月期国内総生産(GDP)・改定値が前期比年率で+3.9%と、市場予想や速報値を上回ったことで、ドル円は118.30円近辺までドル買いが先行した。ユーロドルは1.2402ドルまで下押し、豪ドル/ドルは2010年7月以来の安値となる0.8514ドルまで下げた。しかし、その後は大台割れを回避したユーロドルが短期筋のまとまったショートカバーで急騰するなか、予想比弱めの米11月消費者信頼感指数を受けてドルが反落。ユーロドルは1.2488ドルまで上値を伸ばし、ドル円は118円割れへ押し戻された。ただ、豪ドル円は終日さえない動きとなり100.41円まで日通し安値を塗り替えた。
ドル円は上下に限られたレンジでもち合うなど、足元の高値圏で窮屈な印象。日米の金融政策の方向性が違うことから下値は広がっていないが、日米の2・10年債利回りスプレッドは足もと縮小傾向を示し、上値も伸ばしきれていない。短期的には、割高感が意識されやすく下方向への動き出しには注意が必要だろう。
手掛かりとなるイベントが東京タイムには見当たらず、明確な方向性は定まりづらいだろうが、豪ドル円の動向が円買いのドライブ要因になる可能性はある。その豪ドルは、中国の利下げによる高揚感が一服しはじめ、改めて中国経済の根本的な弱さが意識されるなか、対ドルではテクニカルなサポートラインを割り込んできている。年初来高値を更新中の上海総合株価指数が利食い売りに押されるようなら、豪ドル円を中心とした円買い戻しが強まる流れはありそうである。